ブレーキの仕組みとは?
バイクの重量は100kgを超えるものばかりで、大型になると200kgクラスもあります。
そんな重量のある塊が時速100kmで走るわけですから、そのエネルギーは相当なものです。
その状態からブレーキをかけて車体を止めるには、相当な負荷がかかります。
それを小さなブレーキレバーを握るだけ、しかも体力が限られている人の力でも問題ない制動力を働かせるというのは、なんだか不思議に思えることです。
このブレーキの仕組みには、非常に考え抜かれたブレーキの構造が関係しています。
最近のバイクの多くは、ディスクブレーキを採用しています。
ホイールの外側に円盤状の金属が付いているのが分かると思いますが、このディスクをブレーキパッドで強力に押し付けて摩擦を発生させることで減速させているのです。
このようにブレーキの基本的な構造はとてもシンプルで、ブレーキレバーを握るとブレーキパッドが動きディスクに接触、さらに圧力をかけるというだけです。
しかし、バイクを止めるだけの制動力を発揮するには、強い圧力をかけなければいけません。
そこで、まずブレーキレバーがテコの働きをして、握る力以上の力を出します。
その力が、ハンドルに付いている小さなボックスに伝わります。
ここにはブレーキフルードという液体が入っているのですが、それがホースによってブレーキパッドの根元にあるブレーキキャリパーというところに伝わります。
液体は圧力がかかっていますので、その油圧でブレーキパッドを強力に押し当てることができるのです。
ブレーキパッドはディスクを押し当てて摩擦を生じさせますが、この摩擦は熱に変換されます。
そのため、急ブレーキをかけた後のディスクは高温になっています。
熱がこもった状態だとそれ以上温度を上げられず、摩擦を熱エネルギーに変換できません。
そこで、ディスクには穴が開けられていて熱が発散しやすいようになっているのです。
ブレーキパーツは消耗品なので定期的な整備が必要
ブレーキ構造全体には相当な力がかかっているのですが、特にブレーキパッドは摩擦と熱という強いエネルギーがかかる部分です。
それだけに、使っているうちにどんどん摩耗します。
ディスク周りが黒くなっていくのはこのブレーキパッドが摩耗した屑で、すり減っていきます。
当然すり減った状態ではブレーキの効きが悪くなり、最終的にはブレーキが効かなくなります。
そのため、定期的にブレーキパッドの厚みを確認して、一定程度摩耗したら交換する必要があります。
また、ブレーキフルードは目減りしませんが経年劣化はしていきますので、やはり定期的に交換する必要があります。
大型バイクだと車検がありますので点検を定期的に行うことになりますが、それ以外はしっかり点検をしていない可能性もありますので、意識してブレーキの点検と整備を行いましょう。